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「ル・ノルマンディ」での満足感の正体は、一体何ぞや?
先日のホテルランチの記事では、ホテルニューグランドのメインダイニング「ル・ノルマンディ」の食レポをお届けしました。
肉料理や魚料理に使用されている素材の質が良いのはもちろんなのですが、焼き方の技術の高さや、ソースの味わいの繊細さに非常に感銘を受けました。
フレンチってこんなに美味しいのかと感動して、ここでのランチ体験は幸せな思い出として今も明確に残っています。
「美味しく快適な体験」に価値を見出しているのではないか
楽しいランチコースを満喫したあとに私が考えたのは、実は「お金」のことでした。
食事のあとにはお会計を済ませたわけですが、この満足感は決して「食事だけの対価」ではないなと感じたのです。
このホテルで過ごした「美味しく快適な体験」そのものが、この満足感の多くを占めているのではないかなと思ったのです。
今回の記事では、ランチコースをきっかけに知ったホテルの魅力と、その後のホテルニューグランド体験記をお届けしたいと思います。
具体的には、①ホテルニューグランドはどのようなホテルなのか、②ホテルニューグランド直営レストラン「ル グラン」での食事、③年末の新館1泊体験の3本立てでお届けします。
①ホテルニューグランドはどのようなホテルなのか

はじめに、ホテルニューグランドをよくご存じではない方に向けて、ホテルの特徴を3点に絞ってご説明したいと思います。
ホテルの特徴を予め知っておくと、他のホテルでは味わえない魅力を満喫することが出来るのです。
1.横浜市認定の歴史的建造物
ホテルニューグランドは、1927年に海外の貴賓をもてなす迎賓館として開国の地・横浜に誕生しました。
本館は「横浜市認定歴史的建造物」に指定されていて、本館1F玄関や2階ロビーの空間は開業当時の姿が保たれています。
本館1F玄関
この大階段は、このホテルを代表する見どころの一つです。イタリア製タイルと青絨毯が印象的です。

洋の東西の文化が出会った異国情緒溢れるインテリアにも注目してみて下さい。
時計上部の壁には、天女の刺繍が施されていて、天井から吊るされているライトは和式燈籠がデザインされているものです。


本館は、銀座和光と同じ設計者によるものです。何となく雰囲気似てますよね。
本館の大階段の様子は、Google「おみせフォト」で見ることが出来ます。
本館2Fロビー
時を重ねたからこその気品溢れる空気が漂うクラシックな空間は、写真映えも抜群です。


大きな窓からは山下公園を眺めることが出来ます。ロビーに置かれているテーブルや椅子は、「横浜家具」と呼ばれている貴重なアンティークです。
ロビーにある座椅子の肘掛けには、天使の顔が彫刻されています。

ロビーのインテリアや空間の雰囲気を掴むには、このCM動画を見ると分かりやすいです。
このクラシックな空間は、都内のホテルでは見られないもので、映画、ドラマ、TVCMの舞台にも選ばれているのも納得できます。
本館2Fレインボーボールルーム
開業当時は華やかな社交界の舞台として、夜ごと舞踏会が開かれた会場です。
丸みを帯びた天井を照らす虹色の光が、この部屋の名前の由来です。

細部まで施された天井の漆喰彫刻は芸術的です。

ステージ近くの壁には、ホテルを象徴する鳳凰が彫られています。
こちらのリンク先のグーグルマップにジャンプしていただくと、部屋の様子を歩いているかのように見ることが出来ます。天井の細かな彫刻までくっきりで驚きます。
2.数多くの歴史ストーリーに彩られたクラシックホテル
世界的なVIPを迎えてきた歴史
ホテルニューグランドは、海外からの要人をもてなす迎賓館として開業した旨、先ほどお伝えしました。
長い歴史の中で、喜劇王チャーリーチャップリン、ベーブ・ルースらの世界的な大物をお迎えしてきました。
終戦直後、厚木飛行場に到着したマッカーサー元帥がまず向かった宿泊先がホテルニューグランドでした。
マッカーサー元帥専用室として使用された本館315号室は、現在も 「マッカーサーズ・スイート」と呼ばれています。
本館地下1階には、開業当時から現在までのホテルの歴史が写真パネルとともに展示されています。
ホテルニューグランド発祥の伝統料理
ホテルニューグランドで誕生し、日本各地に広まった洋食があります。
「ドリア」「ナポリタン」「プリンアラモード」といった有名洋食メニューについては、以前の記事でご紹介しました。



何故、こうした洋食メニューが全国的に広まったのでしょうか。
答えは、ホテルニューグランドが「料理人の人材養成機関」だった点にあります。
ホテル料理人の人脈には、帝国ホテル系とニューグランド系というものがあるそうです。
初代料理長サリーワイルは、人材育成にも力を注ぎ、ホテルニューグランドから優秀なフランス料理のシェフを何人も輩出しました。
メニューが日本全国に広がった理由は、ホテルニューグランドが多くのシェフを育てて、その弟子や孫弟子たちが各地で活躍したからなのです。
式場見学の際にも、都内の外資系のホテルの料理長や、御三家の老舗ホテルの料理長もホテルニューグランド出身の方だと聞きました。
今でも人材を輩出するホテルとして、業界では一目置かれるホテルなのだそうです。
3.横浜港を一望できる山下公園の真正面の立地
本館2階
本館2階ロビーの窓から、山下公園や氷川丸の様子を見ることが出来ます。散歩のときとは少し違った角度で景色を楽しめます。
タワー棟5階
ホテルのメインダイニングのあるタワー棟5階「ル・ノルマンディ」からは、横浜港が一望できます。(あいにくの雨でしたが、大きな窓からの景色は解放感を感じられるものでした)
タワー棟18階
タワー棟最上階の特等席に位置するスカイチャペル。地上70mからの開放的な景観はこのホテルならではのものです。
②ホテルニューグランド直営レストラン「ル グラン」の食レポ
ホテルにまで足を運ばなくても、もっと気軽にホテルニューグランドの味を楽しめる場所があります。
それは、横浜高島屋8階のローズダイニング街に出店している「ル グラン」です。
このレストランは、ホテルニューグランドが直営しているのが特徴です。
伝統のスパゲッティナポリタンやシーフードドリアといったホテル発祥のオリジナルメニューを楽しむことが出来るのです。
ホテルには無い、女性向けメニューやお子様メニュー用意されています。
特にお子様用のメニューは、子連れ家族に嬉しいです。
■お子様メニュー
・海老フライ
・スパゲッティ ナポリタン
・ハンバーグステーキ
・ハムとシャンピニオンのケチャップライス
・バニラアイス
・オレンジジュース または アップルジュース
お子様セットとはいえ、子供が全部食べ切れない程のボリュームだったため、私も頂きました。
完全に手抜きのない、大人用の料理が少量づつ盛りつけてあります。
海老フライがとっても美味でした。
■ランチプレート(最近はいくつかの料理から選択する式になったようです)


前菜サラダ、冷製スープ、魚料理、肉料理(ピラフにオン)がワンプレートに収まっています。
■シーフードドリア

ニューグランド名物が高島屋でも味わえます。
海老と帆立がゴロゴロ入っていて、インパクトが凄いです。
ホワイトソースに海鮮の出汁が濃厚に合わさっていて、このソースだけで白御飯がお替りできそうです。
ホテルレストランらしいエレガントで温かみのある空間で、ゆっくりと食事を楽しむことが出来ました。
横浜高島屋にお立ち寄りの際は是非利用してみて下さい。
③年末の新館1泊体験
年末に親戚家族と本館に1泊しました。
落ち着いた雰囲気の部屋の内装
部屋からの眺望も素晴らしく、特に夜景が綺麗だと改めて感じました。
チェックイン時の対応も、スムーズでありながら事務的ではない、気持ちの良い温かい応対でした。
フロントから部屋までの案内や、室内の各設備の説明も親切に行って頂きました。
ホテルに宿泊するのは初めてでしたが、夫婦でさすが名門ホテルはホスピタリティが違うねとの感想を持ちました。
ホテルとしての快適さは、ハード面の新しさよりも、接客のようなソフト面で決まるのだと改めて感じました。
アメニティグッズやタオルにもフェニックスマークが飾られていて格調高い印象を持ちました。
細かいことで恐縮ですが、浴室に置かれていた固形石鹸(資生堂製)は、洗いあがり後のしっとり具合と香りがとてもよかったので、思わず持ち帰ってしまいました。
部屋のタイプは異なりますが、本館客室339号室の内部の様子はこちらのGoogle「おみせフォト」で見ることが出来ます。ベッドルーム、洗面所、浴室の様子もよく分かると思います。
朝食ビュッフェは「ル・ノルマンディ」で
宿泊翌日の朝食は「ル・ノルマンディ」でビュッフェ形式で頂きました。
子連れだったため、朝食会場に行く時間が遅くなり、混雑に巻き込まれてしまいましたが、フロアの方が丁寧に案内して下さり、子供も静かに待つことが出来ました。
オーダーすると、シェフが焼きたてオムレツを目の前で作ってくれます。
ビュッフェで提供されているベーコンやハムがとても美味しくて驚きました。
一番のお勧めは、スモークサーモンです。
熟成された濃厚な旨味が印象的で、チーズと合わせてトーストに乗せて食べると、お替りしてしまう美味しさでした。
コーヒーと紅茶を一度頼むと、サービスの方が各テーブルを回りながら随時注いでくれるのも嬉しいサービスでした。
確かに少し高いのですが、年末の特別イベントと割り切って楽しめました。
少しだけわがままを言うと、もっと美味しいパンが用意されていると更に満足度が上がると感じました。
ここで、お得情報
ホテルニューグランドでのお支払いを少しだけお得にする方法があります。
それは、「ビューカードで支払うこと」です。

ビューカードでの決済によって、ホテルニューグランドでは以下の特典があります。
・直営レストラン・バー 基本料金最大10%割引
・宿泊基本料金が最大20%割引
・チェックアウトを12時まで無料で延長可能
なお、宿泊に関する特典は、インターネット予約や企画宿泊商品の場合には適用されない場合がありますので、ご注意下さい。
レストラン料金の10%割引は、結構嬉しい特典ですよね。
何故割引になるかと言いますと、ホテルニューグランドはJR東日本ホテルズ系列のため、JRの系列子会社が運営しているビューカードの優待が効くのです。
使用期限のあるクーポンのように、いつまでに行かなくてはと焦らずにいつでも使えるのが嬉しかったです。
コンシェルジュの方がとても有能!
宿泊の前後からコンシェルジュの方の温かい応対にはすごく助けて頂きました。
宿泊前から、年末に夕食がとれる近くのレストランの予約を探して貰い、予約をお願いしました。
宿泊中も、山下公園を少し散歩してフロントに戻ってくると、「お帰りなさいませ」と声を掛けてくれるのも嬉しかったです。ホテルで働く人の記憶力って本当にすごいですよね。
また、宿泊後に中華街で昼食をとるまでスーツケースをホテルで預かって下さったり、急遽、ネット上の書類をプリントアウトする必要があったのですが、コンシェルジュの方が快く対応して下さいました。
さいごに
ご紹介してきたホテルニューグランドですが、交通アクセスにも優れています。
みなとみらい線 元町・中華街駅1番出口(階段)より徒歩1分、2番出口(エレベーター)より徒歩2分でホテルに到着します。

交通アクセスといういみでは、実は横浜からシーバスを使うという方法もあります。
私達家族はホテルニューグランドに宿泊後、山下公園のシーバス乗り場から横浜駅まで乗りました。
水上バスから眺めるみなとみらいの光景は、普段陸上から眺める景色とは違って新鮮でした。
非日常感を味わえるので、とてもお勧めです。